交響曲第4番は,通常演奏されている稿のほかに「初稿」も目にすることができるが,第3楽章については初稿も最終稿も「同じ曲」と言ってよい。(→シベリウス交響曲第4番の初稿
ただ一カ所,曲想が大きく変更された部分がある。82小節目から始まる感動的な基本主題の合奏の部分である。

1911年に完成した交響曲第4番は初演後に手が加えられ,現在演奏される最終稿が定まった。
第2楽章は初稿と最終稿で大きく異なっている。特に後半部分は「前衛的」ともいえる展開に驚かされる。最終稿は初稿に比べるとかなり穏当である。初稿は BIS の「全集」(BIS-CD-1933/35)で聴くことができる。

いっぽう第3楽章の初稿と最終稿はおおまかに言えば「同じ曲」である。

作曲者最後の交響曲は,巨人の仕事の集大成にふさわしく圧倒的に盛り上がって雄大に終わるのか,それとも……

シベリウスの管弦楽曲(交響曲含む)はティンパニーが大活躍する。

フィナーレの開始のテンポ指示は Allegro molto(非常に速く)であるが、スピード感に欠ける演奏が多い。