『莊子』のテキスト

『漢書』藝文志に「莊子五十二篇」とある。しかし現在の『莊子』はすべて33篇で,これは晉の郭象(252?-312)が注釈を作るにあたって確定したテキストである。
全体は三部に分けられ,「内篇」(7篇),「外篇」(15篇)「雜篇」(11篇)という名称が与えられている。
このうち「内篇」の「逍遥遊篇」と「齊物論篇」は,莊子自身の思想の核心を述べた最も重要な篇だと考えられている。

「続古逸叢書」所収本
宋本の『南華真経』(『荘子』の異名)で,完全なテキストとしては最も古いもの。
南宋の刊本(「至楽篇第十八」まで)と北宋の刊本(「達生篇第十九」以下)を合わせたもの。
前半部分(「至楽篇」まで)は郭象の注と陸徳明の「音義」が付いており,後半部分は「音義」がない。

「古逸叢書」所収本
宋本の『南華真経注疏』による版本。「注疏」とは,郭象の注と成玄英の疏を合わせたもの。
『叢書集成新編』第19冊に「古逸叢書本」が景印収録されている。

「四部叢刊」所収本
明の世徳堂刊の『南華真経』である。郭象の注と陸徳明の音義を附す。
また末尾に孫毓修の「札記」を附す。

この記事について

韋格兆先生が2009年4月21日 12:33に書きました。

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